かつて銅産出量全国一位を誇った足尾銅山。その坑道の総延長は約1200kmにも及んだと言います。そして坑道やその周囲には鉱石運搬用の軌道が縦横無尽に張り巡らされており多種多様なマイニングロコ達が活躍していました。今回はそんな足尾銅山で活躍した機関車の中で足尾銅山観光にて保存された4両を紹介します。

①No.47(足尾15型) 1893年頃?古河鉱業足尾銅山工作課製2.27トン機 軌間475mm
足尾銅山の工作課が初めて自社製架空線式電気機関車を製造したのが1893(明治26)年である。このNo47はその時期に製造されたうちの一両で、足尾では現存最古の電気機関車である。形式は足尾15型で他にも足尾10型や16型などの写真も残されている。以前は他の車両とともに屋外に展示されていたが現在は屋内展示され良好な状態を保っている。
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②A-1(足尾A型)製造年製造所不明5トン機(1953(昭和28)年足尾製作所改造)軌間475mm
主要坑道で使用されていた架空線式電気機関車。1トン鉱車を25両牽引していたという。足尾A型という形式で同型のものが多く在籍していた。銅山観光内で放映されているビデオには坑道内で活躍するA-7の写真が登場する。このA-1の案内板には足尾製作所小山工場製造となっているが銘板を見ると製造ではなく昭和28年改造となっているため元々の製造所と製造年は不明である。 
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ビデオに登場する同型のA-7
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③No.7 1966(昭和41)年日本輸送機製2トン機 軌間475mm
多くが在籍した日本輸送機製の2トン蓄電池機関車。鉱山ではありきたりなタイプだが足尾特有のバッファを装備するなど個性的な部分もある。銘板は残っているが塗装が厚く読み取り不可。
足尾銅山BLNo07
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④無番 1966(昭和41)年日本輸送機製3トン機(製番3634001)?軌間475mm
日本輸送機製の珍しい3トン蓄電池機関車。こちらもごついバッファが特徴的である。製番3634001は製造台帳上は古河鉱業久根鉱業所に納入されたことになっているが軌間475mmの3トン機はこの機の他に納入の記録が無いため何らかの理由で足尾に流れてきたものと予想した。

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