今回は、王滝森林鉄道で活躍したカブース(制動車)を紹介します。カブースは見張り員を乗せて運材列車の最後尾に連結され、所謂車掌車のような役割を果たしていました。そんな木曽ならではのカブースですが、現在は在籍した8両中5両が現存しています。

①制3
中部森林管理局前にて加藤製No47、C客とともに保存されている1両。元々カブースは木製の台車であったがこの車はタンク車の鉄製台車に履き替えられている。デッキも妙にしっかりした物が付いているが現役時代に改造されたのか保存に際し改造されたのかは不明である。カブースの保存車で表記が復元されているのは同車が唯一。H28 3/7
木曽カブ03
②制4
酒井C4No140、大型B客という豪華な顔ぶれとともに石川県立森林公園で保存されている制4。この車もまた台車を鉄製運材台車のものに履き替えられている。こちらは現役時代も鉄製台車を履くカブースとして異彩を放っていたようで、当時の写真も残っている。現在かなり荒廃が進んでおり修復しなければ今にも崩れ落ちてしまいそうだ。H26 8/14
木曽カブ04
③制5
赤沢自然休養林の森林鉄道記念館横で屋外展示されている1両。木造台車を履いた標準スタイルである。他の車両もそうだが現役時代は鮮やかな赤色に塗装されていた。H26 5/3
木曽カブ05
④制6
大桑村にてモーターカーとともに保存されていた制6。雨ざらしではあったもののお色直しが行われるなど大切に保存された。そのご那珂川清流鉄道に移転している。H19 5/3
木曽カブ06
⑤制7
こちらは確証は無いが手すりの形状などから絞り込んで制7だと思われる。旧坂下森林鉄道の下柳橋にて協三製No139、運材台車とともに保存されている。元々付近の夕森公園で保存されていたが平成5年に現在の橋上に移設された模様。H26 5/3
木曽カブX01

以上5両のうち解体された制6を除く4両と、個人が保有する1両(制2か制8?)の計5両のカブース現存しているようです。上記4両は屋外展示で今後が心配ですが末永く残っていてほしいですね。